視覚障害者柔道とは
BLIND JUDO
視覚障害者柔道の大きな違い
柔道は離れた状態から始まり組み手を取ってから技をかけていく始まり方ですが、視覚障害者柔道の場合は、組み手の状態から始めるため、始まりと同時に技をかけていくことができます。組み手を取る攻防がない一方で、しっかりと自分の組み手で始まるため、選手は技をかけやすく、体を激しくぶつけ合い、かけられる技を防御します。試合開始と同時に技を頻繁に掛け合う応酬が続き、勝負が1本で決まりやすいことが大きな魅力です。試合を見ている方も目が離せません。
基本ルール
BASIC RULE
視覚障害者柔道のルールを要約すると
- 組み手の状態で試合開始、試合再開も組み手から
- 視覚障害の程度に関係なく、体重別の1カテゴリ
- ルールは柔道と同じで、技は晴眼者柔道よりも多い
試合は両者がお互いに組んでから主審が「はじめ」の宣告をします。 試合中両者が離れた時は主審が「まて」を宣告し、試合開始位置にもどります。
場外規程は基本的に適用しません。但し、故意に利用した場合には、障害の程度に関係なく適用されることがあります。
競技は障害の程度によって区分せず、体重別で行われ、試合規定は、国内大会も、国際大会も全てIJF(国際柔道連盟)試合審判規定、IBSA(国際視覚障害者スポーツ協会)柔道試合規則及び大会申し合わせ事項によって行われます。
どんな人がやってる?
Who enjoy Blind Judo?
選手は、視覚障害者で目が見えないか、視力が制限されている人たちです。一方で柔道を楽しむ場合は、組み手から始めるだけで、目に障害がない晴眼者と一緒にできることも視覚障害者柔道の特徴です。小学生など子どもの時から始める方や、大人になってから初めて柔道をする方もいらっしゃいます。競技としての強さを求める選手から、健康目的、レクリエーション、仲間づくりを目的とする方など、視覚障害者柔道は目的に応じて、幅広い年齢層の方がスポーツやコミュニケーションの一貫として楽しんでます。
特徴的なルール
MORE RULE
試合規定上の特色
- 試合開始線は、1.5メートル離す。
- お互いに組んでから試合を始める。
- 試合中に両手が離れた時は、試合を中断する。
その後試合開始の時と同じ手順で始める。 - 場外規定は、基本的には適用しない。ただし、
故意に利用した時は指導の対象となる事がある。 - 試合者が場外に近づいた時は主審が「場外、場外」とコールする。
- 技が決まるか「指導」などの時は、主審がジェスチャーと共に「指導・白」などと分かりやすくコールする。
- 視覚・聴覚障害者の選手には、掌に文字を書きそれを本人の胸の方向に向ける(例:指導はS)。
国際クラス分け
障害者の競技では、「公平性」が重要視されます。2022年IBSAのクラス分けルールの変更により、柔道はJ1(全盲)とJ2(弱視)*の2つにクラス分れ、それぞれ男女別の体重階級で試合が行われることになりました。
*J2の最低障害視覚基準(Minimum Impairment Criteria)が視力0.1以下から0.05以内に、直径視野が40度未満から60度以下に変更になりました。
J1 | 全盲 | 視力0.0025より悪い。 |
J2 | 弱視 | 両眼視で0.0032から0.05以内の視力、または視野直径60度以下。 |